ブランディングとマーケティングの違いとは?それぞれの手法と関係性は?

ブランディングとマーケティングとの違い。
今回、この点について一つの考え方を紹介します。

「マーケティング」に比べ「ブランディング」は、その内容について概念も含め社会の中でまだまだ共通認識になっていないように思えます。

この記事では、それぞれの手法や目的を紹介し、ブランディングとマーケティングの違いを明らかにしていきたいと思います。

当社では、ブランディングとマーケティングについて、次のように定義づけています。

【ブランディング】
ブランディングとは、企業などが企業価値を高めるために、顧客や社会(場合によっては自社の従業員)との良好な関係を築く取組み。

【マーケティング】
ブランディングとは、企業が営利の獲得を目的に、既存客・見込み客に商品の魅力を効果的に伝えるための取組み。

それぞれの目的や手法、求められる成果や取組みの対象となる人をまとめると以下の表になります。

 

こう見ると、ブランディングもマーケティングも企業が永続的に発展するために、必要な活動だと分かります。

ブランディングの手法と目的

ブランディングは良好な関係づくりを目的に、ファン心理を形成する取組みを手法として実施されます。

例えば、企業が行うインナーブランディングは、社員や従業員との良好な関係を中長期に渡って築くために行われます。
また、既存の顧客やまだ購入には至っていない潜在顧客(見込み客)に対して、中長期に渡る関係づくりのために行われるのがアウターブランディングです。

つまり、これらは短期的な利益を生み出すことを主たる目的とせず、信頼や愛着といったファン心理(好意)を形成し、「長きに渡るお付き合い」を構築するために行われます。

手法に関し、もう少し具体的に見ていきたいと思います。
既存顧客や社会にファン心理を形成するアウターブランディングの手法としては、商品自体の強化は、とても重要なブランディングの取組みです。
また、購入後のアフターサービスや、顧客向けのサービスなどもブランディングの一環として考えることができます。

ただ、ここで注意しておきたいのは、買わせようとしないことです。
買わせようとする情報や取組みに対して、消費者はそこから遠ざかろうとする心理が強くなるからです。
再購入を促すという発想よりも、「良好な関係をつくろう」という姿勢がブランディングでは大事です。

サービス業においては、社員の立ち振る舞いがブランディングを左右する大事な要素になってきます。

また、情報発信も不可欠です。広報活動や広告などです。
ブランディングを進める上で、企業から発信される情報には、社会や顧客に喜ばれる(ファン心理を形成できる)情報が求められます。
仮に何らかのトラブルでお詫びする必要が生じた際にも、誠実な情報発信がかえってファン心理を形成することがあります。

このように、真摯な情報発信、真摯な商品力の強化、真摯な顧客対応がブランディングの手法と言えます。

社外とのコンタクトポイントの全てが、ブランディングポイントと考えてアウターブランディングに取組みことが効果的なブランディングになります。

また、様々なコンタクトポイントで異なる印象を形成しないように注意を払う必要があります。いわゆる「ブランドの一貫性」です。
ブランドの一貫性を保つために、ブランドマネージャー制を取り入れる会社もあります。

一方、社員や従業員との良好な関係づくりを目的とするインナーブランディングの手法としては、自社の存在意義の共有とモチベーションの上がる環境づくりが挙げられます。
存在意義の共有においては、社内ワークショップの開催やビジョンを共有する大小のミーティングがあります。
最近では、存在価値やビジョンを映像化し、イントラネットで社員と共有する会社も増えてきました。

企業活動の全てが従業員によって行われていると考えると、インナーブランディングの重要性がご理解いただけると思います。

企業が行うブランディングの種類や、大企業と中小企業による違いについて詳しくはこちらも参考にしてみてください。
大企業とは違う、中小企業のブランディング手法・成功事例

マーケティングの手法と目的

さて、次はマーケティングについて考えていこうと思います。
マーケティングは、購買行動の喚起を目的に、自社の商品やサービスへの理解を促す取組みと考えられます。

例えば、ある商品の売上を伸ばすために行われる市場調査、広告キャンペーンや販促プロモーションなどが、マーケティングの取組みです。
市場をマーケットというように、自社の商品の売上を伸ばし、市場内でのシェアを拡大する取組みをマーケティング活動ということができます。

そのマーケティング活動をより効率的に行うためには、その対象をある程度絞る必要があります。
言い換えれば、商品の購買が見込まれる人たち(潜在顧客層)に、できるだけ確実に情報を届けたいという発想です。
限られたマーケティング予算で、効果を最大化しようとすれば当然の発想と言えます。

そのため、市場の状況を把握する必要があることから、市場調査がマーケティングの一部として位置づけられます。
マーケティングと聞くと調査を思い浮かべる人もいますが、調査は「購買行動の喚起」を効果的に行うための前提手段と考えられます。

マーケティングを効果的に行う手段として、広告や販促キャンペーンが挙げられます。
特にWeb広告はターゲットを絞り込んで商品情報を届けることができることから、とても効果的です。
それは、性・年齢、住んでいる地域のみならず、その人が検索しているキーワードから興味のありそうなことや価値観までセグメントすることができます。

店頭(Webショップを含む)での情報発信は、購入を最終的に後押しする役割を担います。
他者との差別化が難しい商品や日用品などは、買い場での後押しが商品選択を後押しします。

このように、マーケティングは一貫して、購買を喚起するために行われることが分かります。

ブランディングとマーケティングの違いと関係性

さて、ここまでブランディングとマーケティングについて、その目的と手段について見てきました。

ブランディングがファン心理の形成に対して、マーケティングは購買行動の喚起が主な目的になります。
そのため、費用対効果を数値化しやすく成果が見えやすいのがマーケティングと言えます。
短期的に効果を計れるものマーケティングの特徴です。

一方、ファン心理の形成を目的とするブランディングは、短期的には効果が計れないものの中長期的な関係づくりによって、企業の継続的な成長を支える力になることは確かです。

では、マーケティングがブランディングの効果を生まないかというとそんなことはありません。
商品のマーケティング活動を通じて、企業へのファン心理を形成していくことは可能です。
また、ブランディングが購買喚起に寄与しないかというとそんなこともありません。
ブランディング活動によって形成されたファン心理が、購買を喚起し企業の利益を生み出していくのも事実です。

そういう点からすると、短期的な利益を生むのがマーケティングで、中長期的な利益を形成するのがブランディングと考えることができます。

さて、商品はよく売れている(マーケティングが成功している)のに、求人を出しても人が集まらないということはよくある話です。
この背景には、企業へのファン心理が社会で欠落していることが考えられます。
そうした場合には、企業ブランディングが必要になってきます。

面白いことに、企業ブランディング、商品ブランディングという言葉はよく耳にしますが、企業マーケティングという言葉はあまり聞きません。

つまり、企業は購買の対象にはなりづらいからです。

但し、ブランディングにもマーケティングにも共通する概念があります。
それは、「価値への共感形成」です。
企業ブランディングは、その会社の独自性や存在価値への共感を社内外に作っていく取組みです。
商品マーケティングは、その商品の価値を伝え、購買行動を喚起していく取組みです。

そうした点で、ブランディングを進めるにあたっても、マーケティングを推進する際にも、価値を正しく認識する必要があります。
その認識が、施策や取組みをより効果的なものにしていくと考えられます。

ブランディングを効果的に進めるために

今回はブランディングとマーケティングの違いについて、目的や手法について紹介させていただきました。
どちらの取組みにも、独自価値や強みを明らかにすることが効果を最大化します。

当社では、社内の意識変革から市場評価の向上までを一貫したコンセプトのもとに効果を最大化するブランディングを「統合型ブランディング」と位置付け、一貫してサポートする体制を整えています。
一度お気軽にご相談ください。
事例の詳しい内容などご紹介させていただくとともに、企業の課題に即した効果的な取組みをご提案いたします。

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