選ばれる商品とは!?

そもそも、私たちが何かを購入するという行為は、どういう欲求に基くものなのでしょう。そして、複数ある選択肢からひとつの商品やサービスを選ぶ行為とは、どういうことか。さらには、より選ばれる商品になるには?
今回は、ブランディングの観点から「選ばれる商品になるためにするべきこと」を書かせていただきます。

この夏は講演やセミナーなどで、ブランディングについてお話しさせていただく機会をたくさんいただきました。参加いただいた方からのご質問で、「選ばれる商品になるためにはどうしたらいいのでしょう」という声を多くお聞きしました。

企業のマーケティング活動の中で根幹になる部分ですので、このご質問にお答えする意味でも今回はこのテーマで書かせていただきます。

私たちが何かを購入するというのは、どういう行為なのでしょう。
言い換えれば、私たちは何にお金を払っているのでしょう。

例えば、自販機でペットボトルのドリンクを買うときに、成分表示を確認してその内容を吟味したり、そこから得られる効能を勘案して購入する、というようなことは行いません。
つまり、成分や機能にお金を払っているわけではないのです。それでは、何にお金を払っているのか。

人が何かを購入する行為は「将来起こる幸せなことへの期待投資」と定義づけられます。つまり、130円を自販機に投入して商品を選び、取り出し口から出てきたペットボトルを開け、ドリンクを口にしたときに得られる、その瞬間の幸せな気分に130円を払っているわけです。

期待する幸せな気分は人によって違うでしょう。たとえば、乾いたのどが潤う充足感だったり、なにか憂鬱な気分を晴らしてくれる爽快感だったり、小腹が満たされる満足感だったり。それらはその時の欲求によって変わるにせよ、いずれも「幸せな気分」と言えるでしょう。

それでは、いくつかある選択肢から商品を選ぶ行為というのは、どういうことでしょう。先ほどの定義からすると商品を選ぶ行為とは「より幸せな気分になれそうなものを想定し、それを選択すること」と言えます。

まず、その選択肢に乗ることはブランドとしての価値を有していると言えるでしょう。なぜなら、ブランドとは「人を幸せな気分にする存在」だからです。その選択肢に上がらないようではブランドとは言えないということですので注意が必要です。

さて、今日の本題です。
それでは「選ばれる商品とは何か」「選ばれる商品になるためにはどうすればいいのか」について。

結論から言えば、複数の選択肢の中で「最も幸せな気分になれそうなもの」になることです。
では「より幸せな気分になれそうなもの」を、人はどういう心理や基準で選ぶのでしょう。

それは、
 ・過去に同一の商品を買って幸せになれた経験
 ・過去に同じメーカーの商品を買って幸せになれた経験
 ・過去に商品の広告を目にして幸せな気分になれた経験
 ・過去に商品のメーカーの社員と接して幸せな気分になれた経験
 ・過去に商品の評判を目にして幸せな気分になれた経験
 ・幸せな気分にさせる商品の印象(名称やパッケージなど)
といったことでしょう。

選ばれる商品になるためには、「幸せな気分になれた経験」や「幸せな気分にさせる印象」が必要と言えます。

広告が効かない、と言われ出してから久しくなります。
これは、単に情報量が膨大になり、私たち生活者が情報を処理できないから、というのも一つの原因でしょう。しかし、「モノを売ろう、売ろうとするメッセージ」が、幸せな気分を生活者にもたらさないことも原因として理解する必要があります。

選ばれる商品になるために、いま取り組んでいる商品が本当に人を幸せな気分にさせるものになっているかを見直す視点が必要です。
パッケージや商品名、広告だけでなく、その商品に関わる人たちから発信させる言葉、行動などなど。

ブランドを育てる作業においては、社会とブランドとのあらゆる接点で「幸せな気分にさせる」工夫が不可欠なのです。

特にソーシャルネットワーク時代だからこそ求められるポイントかもしれません。