就職活動は、「私らしさ」探しです。

大学生の皆さんのために、ブランディングの視点から就活について書かせていただきます。
就職活動は、就職を望む学生と企業との幸せな関係づくりが本来の目的です。

先日、私がブランディングのお手伝いをしている企業の新入社員と語らうことがありました。
「どうしてこの会社に入ろうと思ったんですか?」と尋ねてみました。
ある新入社員がこう答えてくれました。

「採用面接のときに面接官から言われたことがとても共感できたんです。それは、『我が社は家族を大切に考えるお母さんのために商品を提供する会社なんです』という言葉でした。それなら是非この会社で一緒に仕事したいと思いました」と。

私もそれを聞いて、とても嬉しくなりました。
なぜなら、「家族を大切に考えるお母さんのために」商品力を上げていこうというのは、まさにこの会社のブランドビジョンだからです。
面接官にそれが共有され、さらにその企業を志した学生に伝えられ、その事がこの新入社員のモチベーションになっているからです。

さて、今回はこれから就活をされる大学生の皆さんのために、ブランディングの観点から書こうと思います。

OB、OGを訪問する際に、ぜひ聞いて欲しいことがあります。
「先輩はこの会社で仕事ができることは幸せですか?」ということです。もちろん、尋ね方には配慮が必要です。ダイレクトに聞いて、先輩を傷つけてはいけません。そしてタイミングも大事です。いきなり聞く質問ではありません。

もし「とても幸せだよ」と答えてくれたら、「それは何故ですか?」と聞いてみてください。
その理由に共感できれば、その会社に入って仕事することは、あなたにとっても幸せな仕事になるでしょうし、仕事へのモチベーションも維持できると思います。

もし、それが自身の価値観と合わないようでしたら、もしかしたらその会社はあなたに向いていないかも知れません。

先輩の言葉が共感できるようなら、面接の際にもそれを伝えるべきです。
「先日お会いした○○先輩は、こういう点にやりがいを感じていると話されていました。その話をされている先輩はとてもイキイキされていて、羨ましいほどでした。私もとても共感できるお話でしたので、ぜひこの会社で先輩と同様に、それ以上に頑張りたい」というようなことでしょう。

ただ、そこで一番大事になってくるのは、自身の価値観です。
「あなたらしさ」ということにも関わってきますが、それが明確でないと説得力も増しません。
さらにいうと、「この会社で働きたい」という情熱も高まらないでしょう。

「ブランディングとは幸せな関係づくり」です。
企業が行うブランディングは、会社と生活者だけでなく、会社と従業員、従業員と従業員の幸せな関係づくりが必要不可欠です。

今いる社員が幸せを実感できていない会社に入っても、あなた自身が幸せを実感できることはないでしょう。

そして、もう一つ大事なのは、会社選びのモノサシを外に求めないようにしよう、ということです。
自身のモノサシ(価値観)で、会社を見ましょう。

ただし、就活に臨む前から自身の価値観を明確にするのも難しいことかも知れません。
むしろ、就職活動を通じて「私らしさ」とは何だろう、私の仕事へのモチベーションって何だろう、といったことを明確にしていく作業が就活のゴール地点かも知れません。

就職した後は、日々の業務に追われて、そんなことには目を向けられなくなります。なので、紙に書いたりデータにしておいて、時にそれを読み返すことも、その後の社会生活を豊かにすると思います。