ブランドパーソナリティを設定する前に知っておきたいこと。ブランドパーソナリティの活用法とは

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ブランディングを進める際に、「ブランドパーソナリティ」を設定します。
ブランドの特徴や独自価値に関して、キーワードを抽出していくプロセスにはそれほど苦労しなくても、ブランドパーソナリティの設定となると、急に議論が止まってしまうということを見かけます。

ブランドの特徴については普段から意識しているところですが、ブランドの「性格」となると、目を向ける事が少ないのかも知れません。

しかしながら、ブランディングを進める上で重要になってくるのがブランドパーソナリティです。この記事では、ブランドパーソナリティについて設定の方法から活用方法までを事例を踏まえてお伝えします。

ブランドパーソナリティとは

そもそもブランドパーソナリティとはどのようなものでしょう。

ブランドを構成する要素として、以下のような7つの項目が挙げられます。
1.機能価値
2.背景要素
3.パーソナリティ
4.シンボル
5.顧客像
6.情緒価値
7.関係性

各項目の詳しい説明に関しては、こちらの記事をご覧ください。
➡ブランドコンセプトとは。どう決める?作り方などを解説。

ブランドパーソナリティは、ブランドを構成する要素の一つとして位置づけられます。
ブランドとは、人が「愛着と誇り」を抱く対象です。私たちが、商品やサービス、企業などに愛着を感じるとき、その対象がブランドと言えます。

ブランドのどの部分に愛着を感じるのかを考えていく時に、上記の7要素に分類できます。

同じブランドに対しても、愛着を感じる部分は人によって変わってきます。
ある人はそのブランドの機能的な部分に愛着を感じ、別の人はそのブランドのもつ背景に愛着を見いだすといった具合です。
「Aというブランドが好き」といっても、それは人によって好きになっている部分が異なるという事です。

その上で、ブランドパーソナリティとは、ブランドを「人」と仮定した場合の「性格」と位置付けられます。
これは言語化すると、「クール」、「スマート」、「ワイルド」、「親しみやすい」、「フレンドリー」、「気高い」、「上品」、「優しい」、「親切」、「協調性がある」などといった言葉になります。

これらは、まさに人の性格を表すときに使われる言葉です。
そうした性格がブランドにも存在するということです。

人の性格は、生まれた環境や育った環境、さらには周囲からの求めに応じて形成されていきます。生まれながらに持っているものと、長い年月をかけて形成されるものとが混在し形成されていきます。

ブランドの性格となる「ブランドパーソナリティ」は、企業が自分たちの意志で決めて、自分たちで育てていくものと考えるのが適当です。

ブランドを世に送り出していくときや、ブランドを再生させて再リリースするときに、そのブランドにどのような性格を持たせて世に送り出すかを企業が決めておく必要があります。

これは、既存のブランドを拡張させて、新たな展開を派生させていく際(ブランドエクステンション)も同様です。
ベースとなる既存ブランドの性格を理解し、その兄弟姉妹的な立場になっていく新ブランドにはどのような性格(パーソナリティ)が相応しいかを決めておくことになります。
兄弟や姉妹として、どのような性格として設定しておくが、リリースした際に違和感なく受け入れられるかを想定します。

ブランドパーソナリティに関してきちんと定義付けし、ブランドに関わる社内外の関係者で共有しておかないと、あとあと様々な不都合が生じます。

ブランドパーソナリティが伝わるポイント

では、ブランドパーソナリティはどのように伝わるのでしょうか。

ブランドパーソナリティは、ブランドを人に例えた場合の「性格」と申し上げました。

では、私たちは人の性格をどのようなところから認識しているでしょう。

始めて会った人の性格や、日常的に関わっている人の性格を考えたときに、いかがでしょう?あなたはどこから、その人の性格を感じ取っていますか?

相手の方が使う言葉、発する声、顔つき、目の動き、服装やファッション、背格好、歩き方、漂う香り、握手したときの手の感触などでしょう。

私たちは私たちの感覚機能から得た情報をもとに脳が判断したものを、人の性格として認識しています。

その認識をもとに、この人とは話が合いそう、この人とは仲良くなれそう、この人のことなら好きになれるかも、この人と一緒にいると楽しそうなどといった感情がわいてきます。

ブランドへの好意や愛着も、同様のことが言えます。

つまり、人は感覚機能を通じてブランドの性格を理解し、共感した人や好意を抱いた人がそのブランドの顧客になるということになります。

その性格を曖昧にしていたり、八方美人的なものにしていたりすると、誰からも好かれないブランドになってしまいます。
一方で100%誰からも好かれるブランドにするというのは、不可能です。
人の価値観は千差万別ですので、そのブランドが好きな人もいれば嫌いな人も現れることは前提にしておきたいところです。

ブランドの性格は、人の感覚機能を通じて脳に伝わった情報をベースに自分に合っているかどうかが判断されます。

では、その情報はブランドのどこから伝わるのでしょう。

ブランドの性格が伝わるポイントを分かりやすくお伝えするために、感覚器官に沿って紹介します。

視覚・・・商品自体、パッケージ、広告物、ホームページ、ロゴ、店舗、従業員の表情など
聴覚・・・商品名、商品が発する音、操作音、広告コピー、コールセンターや従業員の言葉、店舗BGMなど
触覚・・・商品やパッケージの表面、操作への反応、企業名刺の紙など
味覚・・・食品商品
嗅覚・・・商品臭、パッケージ臭、店舗空間臭など

いかがでしょう。
ここに紹介したもの以外にも、ブランドパーソナリティを伝えるポイントはたくさんあります。
様々な情報を通じて、ブランドの性格を知覚しています。
それは、購入を検討しているときは意識的に行われるときもありますが、ほとんどそれは無意識の知覚です。
それでも、購入を後押しする(場合には決定づける)大事な要素になりますので、ブランドパーソナリティの決定は蔑ろには出来ません。

ブランドパーソナリティの活用法

ブランドパーソナリティをせっかく決めても、一貫性を保たせないと意味がありません。

あるブランドに関して、広告から受けた印象と、実際に店舗で商品に触れたときの印象が異なるといったことがあります。
広告によって伝わった印象が「フレンドリー」で、実際の商品は「とてもスマート」だというようなことです。フレンドリーなものを期待していた際には、残念な気持ちになります。

長年広告の世界にいた筆者としては、このようなことが起きる背景が分かります。
ブランドを規定した際にブランドパーソナリティを設定していない、または曖昧にしていると起きることのように思われます。

先述したブランドパーソナリティが伝わるポイントとして紹介したものは、ブランド責任者の手元から製造部門、販売部門、広告部門などの別部門や第三者へ、ブランド要素が投げ渡されたところで形成されていくものがほとんどです。

例えば広告制作では、ブランド担当者から宣伝部、宣伝部から広告会社の営業、そして制作部門へとブランドの意図やエッセンスが伝わる過程で、ブランドパーソナリティがきちんと伝わらないとか、途中で解釈が変わるというようなことが起きます。

その結果として、広告の印象と実際の商品の印象が異なるといったことが起きます。

そうならないために、ブランドパーソナリティをきちんと言語化しておく必要があります。

ブランドパーソナリティの決め方

ブランドパーソナリティは、ブランド調査などの段階で「このブランドのパーソナリティって何だったっけ?」というようなことが起きがちです。

これは、パーソナリティを予め決めていないか、月日の経過と共に曖昧になっていったときに起きることです。
ブランドパーソナリティは、ブランドを規定する段階できちんと決めて言語化しておく必要があります。

決め方としては、企画部門だけでなく、製造、販売、広告などのそのブランドに関わりそうな関係セクションの人たちが集まって議論しておくことを勧めます。

言語化すると、一言二言のワードになるのですが、議論途中では様々な言葉が出ます。
その中からブランドに最も相応しいと思われる言葉を選択します。

そのプロセスを通して、この方向はNGだとか、この方向は近いけどニュアンスが違うといったことが議論されます。
そうしたニュアンスが、例えば広告制作の現場ではとても重要になってきます。
そのため、議論を通じたニュアンスの共有を目指して、ブランドパーソナリティを決めていかれることが理想的です。それが広告のオリエンシートを通じて伝わることも理想です。

それは、商品パッケージを担う部門や、商品陳列を担う部門に対しても同様なことが言えます。

ブランドパーソナリティを表す適切な言葉

議論では、ブランド調査の調査票にあるブランドイメージの選択肢からパーソナリティとなりそうなワードを選択する企業があります。私は、そのやり方には反対です。

調査票の選択肢は、誰かが別のブランドの要素を規定するときに決めたものです。

その選択肢のワードと、ブランドの性格が合致していればいいのですが、必ずしもそうなるとは限りません。
ブランドパーソナリティは、そのブランドならではの性格が言語化されることが望ましいと考えます。

他のブランドとの比較やブランド調査を実施する上では、一般的なブランドイメージの言葉を使った方が利便性は高まります。
しかしながら、面白みに欠けるパーソナリティになってしまい、顧客からの共感性が弱くなってしまう懸念があります。

そうならない為にも、どういうパーソナリティにすることがブランド戦略上有効かを考えて設定しましょう。
例えば、
Aブランドは「基本親しみやすいけど、譲れないところは譲れない頑固さがある」といったパーソナリティでもいいかと思います。
このパーソナリティは、調査でスコア化するのは難しいかも知れません。
しかしながら、性格としては共感できるものがあるのではないでしょうか。

ブランドパーソナリティの事例

私が以前関わったお仕事に、セブン-イレブンの「セブンプレミアム ゴールド」というプライベートブランドがあります。
「金の食パン」や「金のビーフカレー」など、専門店のような美味しさをコンビニで買えるとあって、話題になった商品ブランドです。

この「セブンプレミアム ゴールド」はブランドを規定する際に、ブランドパーソナリティを「本格さ」としています。

そのパーソナリティを、パッケージのデザインや質感、店舗での販促物などから伝わるように工夫しています。
思わず試してみようと思えるのは、そうしたものから伝わる印象からパーソナリティを感じ取り、多少高くても試してみようという動機づけを促しているのです。

ブランディングを効果的に進めるために

今回はブランディングの性格となる「ブランドパーソナリティ」について、決める方法や活用方法について紹介させていただきました。
ブランディングを進める際にとても重要になるブランドパーソナリティはそれを設定し社内共有することでブランディングの効果を高められます。

当社では、社内の意識共有から市場評価の向上までを一貫してサポートする体制を整えています。
企業のブランド力を高めたい時、商品や事業のブランディングを進める際などに、一度ご相談ください。
企業の課題に沿って効果的な取組みをご提案いたします。

ブランド価値の可視化と自分ゴト化

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