ブランドコンセプトとは。どう決める?作り方などを解説。

企業や商品のブランディングを進める際に、不可欠なプロセスとして「ブランドコンセプト」の設定があります。
このブランドコンセプト。闇雲に設定しようとしても戸惑ってしまいます。

そもそも、「ブランドコンセプト」とはどのようなものでしょう。
ブランドコンセプトはどのように決めていけばよいのか。今回はブランドコンセプトの決め方について具体的に解説していきます。

ブランドコンセプトとは

コンセプトという言葉は、よく耳にします。

「今回の商品のコンセプトは?」
「この事業のコンセプトは?」

といったように、商品や事業のコアになる価値をコンセプトと言います。

ブランドコンセプトも同様です。
「そのブランドのコアになる価値を、社内外と共有するために言語化したもの」がブランドコンセプトです。

ブランドコンセプトが活用される場面は様々です。
社内ではそのブランドに関係する社員や複数の部門が、ブランドの目指す方向性を共通認識化するために活用します。
また、社外に対しては協力会社への共有や、顧客の購入を喚起するためにも必要になります。

ブランドコンセプトがブランドのもつ独自性を端的に伝えるものになっていないと、コンセプトの解釈が人によって変わってしまい、ブランディング策がバラバラなものになってしまいます。

商品自体(中身)の価値と、パッケージ、広告、販促物などがバラバラの印象を受けるブランドは、コンセプトが曖昧だったり、独自価値を十分に深掘り出来ていなかったりすることが要因として考えらえます。

ブランドコンセプトを設定する際は、商品に関わる複数のセクションの人たちや外部の協力会社の人にも伝わるよう、ブランドのエッセンスを整理する必要があります。

では、ブランドコンセプトとは、どのようなものでしょう?
整理するべきブランドエッセンスにはどのようなことがあるのでしょう?

一言でいうと、ブランドコンセプトとは
「誰にどんな喜びを提供するブランドなのか」を表現したものです。

コンセプトは、ブランドの独自性やブランドらしさをどれだけ表現できているかが重要です。
そのため、一言二言の短いフレーズである必要はありません。
多少言葉が多くても、伝わるコンセプトである必要があります。
できれば、それを見た社員のモチベーションが上がるようなコンセプトになっていることが理想的です。

そうしたブランドコンセプトを設定する方法は後ほど述べます。

ブランドコンセプトの例

ここでは、ブランドコンセプトをイメージしやすくしていただくために、いくつかの例を挙げていこうと思います。

スターバックス

「人々の心を豊かで活力あるものにするために」

スターバックスは、ファッショナブルで居心地のいい空間で、バリスタが高品質な豆から抽出したコーヒーを提供することが特徴のコーヒーショップです。
「第三の場所の提供」という考え方のもとに、職場でも家でもない3つ目の居場所の提供がスターバックスの空間提供のポリシーになっています。
ショップのスタッフをパートナーと位置付け、来店客の「心を豊かで活力あるものにするために」接客や店内の雰囲気がどうあるべきかを磨いてるいるのがスターバックスです。
ブランドコンセプトがスタッフの行動や空間づくりまでミッションとして浸透している点で、スターバックスは高いブランド力を保っていると考えられます。

東京ディズニーリゾート

「世代を超え、国境を超え、あらゆる人々が共通の体験を通して、ともに笑い、驚き、発見し、そして楽しむことのできる世界」

東京ディズニーリゾートに一度でも訪れたことがあれば、上記のコンセプトは理解いただけると思います。
私たちはディズニーリゾートを訪れる際、コンセプトを理解したうえで訪れることはないと思います。
一度行ってみてアトラクションやスタッフの対応などから感じたポジティブな感情が、再び訪れようとする動機になっています。
その背景には、東京ディズニーリゾートはコンセプトの実現とブランド価値の維持のために、様々な工夫を重ねていることが伺えます。

ブランドコンセプト作りの目的

では、ブランドコンセプトを実際に作る際、どのようなことから決めていけばよいのは、その要素(ブランドエッセンス)について説明していきます。
先ほど、ブランドコンセプトとは「誰にどんな喜びを提供するブランドなのかを表現したもの」と申し上げました。

「誰に」というのは、「ブランドの価値に共感し、そのブランドによって喜んでほしい相手」、言い換えれば「ブランドのファン」としてどういう人が相応しいかを決めることになります。

そして、その人がブランドを体験することで、「どんな喜びを得られるか」を決めることがコンセプト設定です。

ブランドによってどんな喜びを感じるかはお客様次第と考える企業もあります。
しかし、ブランディングは「ファンの喜びを最大化するために、自社に何ができるか」を突き詰めていくプロセスです。

そのため、「誰にどんな喜びを提供するブランドなのか」というコンセプトを明確にしなければ、ブランドが目指す方向性が曖昧になり、社内がバラバラに動き出してしまいます。

それでは、折角のブランディングが無駄な取組みになってしまい、結果として誰からも愛されないブランドになってしまいます。

私はよくブランドコンセプトを設定する意義について、複数の部門や関係者が一緒に登っていくゴールの設定だと言います。
社内のブランドに関わる人たちを同じ方向に向かせ、エネルギーを集中させるために、必要不可欠なプロセスがブランドコンセプトの設定と言えます。
当社では、そうした観点から、ブランドコンセプトをブランドビジョンと表現しています。

ブランドコンセプトの7要素(ブランドエッセンス)

それでは、ブランドコンセプトを作る上で整理する必要があるブランドエッセンスについて説明していきます。

ブランドの独自性や独自価値、ブランドらしさを明確にしていくために、7つの要素を明らかにしていく必要があります。

その7つの要素(ブランドエッセンス)について解説していきます。

1.背景要素

ブランドらしさやブランドの独自性を支える背景や要因です。これは自社の技術や社内の人材、社の歴史など、そのブランドの強みの背景にある要素になります。

2.パーソナリティ

ブランドを「人」と仮定した場合の性格です。そのブランドは、優しい性格なのか、強い性格なのか、協調性を重んじるのか、といった性格を決めます。

3.シンボル

シンボルは、ブランドの価値を社内や社外(顧客や社会)と共通認識化させている象徴です。例えば、ロゴやネーム、場合によっては人といったことも考えられます。そのシンボルをみれば、ブランドの価値を共有できる装置のようなものです。

4.機能価値

ブランドが顧客に提供している具体的な価値です。機能価値は、顧客が代金として支払う対象とも言えます。美味しいコーヒーや心地よい時間、非日常的な景観などです。

5.顧客像

ブランドによって喜んでもらいたい人です。1~4を踏まえて、こういった価値をもったブランドであれば、こういう価値観を大事にする人に喜んでいただきたい、といった発想で決めていきます。性年齢といったことではなく、どういう価値観を大事にしている人に喜んでほしいかを想定していきます。

6.情緒価値

顧客がブランドの体験によって得られる喜びです。そのブランドを体験することで顧客が感じるポジティブな感情を設定ます。人に自慢したい、心まで潤う、映える、といったものです。

7.関係性

ブランドが顧客と築くべき関係性です。ブランディングにおいて、顧客を単に商品を買ってくれる消費者と考えるよりは、長いお付き合いをする相手と考えるのが相応しいでしょう。そのお付き合いをどのようなお付き合いにするかを決めるのが、関係性の設定です。関係性も仲間なのか、結婚相手なのか、相棒なのかによってニュアンスが変わってきます。

これら7つの要素をブランドの独自性を構成するブランドエッセンスとして明らかにします。

一度決めたブランドコンセプトでも、もしかしたら他社のブランドと似たものになっていることに気付くことがあるかと思います。
これまでの経験で申し上げると、この7要素を明らかにすれば、他社と似たようなブランドになることはないはずです。

ブランドコンセプトの決め方

では実際にブランドコンセプトはどのように決めていけばいいのでしょう。
ブランドコンセプトは、それを決めた後に関係する部門の担当者で共有し、実際の業務に落とし込んでいく必要があります。
そのプロセスで、誤解が生じたりしないようにする工夫が必要です。

そのため、ブランドコンセプトの決め方は、ブランドに関わる人たちでディスカッションして決めていくことを勧めます。

複数の人でのディスカッションは、意見をぶつけ合うことになるので、議論がまとまらなかったり、纏まるまでに要する時間が多くなったりします。
それでも、その後のことを考えると、関係者で深く議論した方が結果的に効率的なブランディングが可能になります。

ブランドコンセプトの事例

ここでは、医療機関の従業員が各部門から集まって、20人ほどで決めていったブランドコンセプトを紹介します。
病院としての強みを明らかに、医療機関として今後どのような価値を地域に提供していくのかを決めたものになります。

美濃市立美濃病院のブランドコンセプト

「美濃市立美濃病院の使命は、様々な部門とスタッフが職種の垣根を超えてシームレスに連携し、健診から治療・入院前から退院後までを一貫して支援することです。
健康管理センター・在宅医療支援センター・訪問看護・訪問リハビリテーションなどのサービスを充実させると共に、持ち前のコミュニケーション力でその使命を果たしてまいります。
美濃病院のスタッフは、患者様との相互の信頼関係のなかで医療サービスの提供にあたります。
私たちの明るい笑顔と優しく丁寧な声掛けが、患者様とご家族にとっての安心のシンボルでありたいと考えます。
親身に寄り添う安心があります。 美濃病院」

少し長いと感じるかも知れません。
しかしながら、自院の強みや独価価値、機能価値、情緒価値を明らかにし、病院が目指す方向性が伝わる内容になっているかと思います。

ぜひ、参考にしていただければと思います。

ブランドコンセプトの設定と社員の自分ゴト化

今回はブランドコンセプトについて、その意味と作り方について、お伝えしました。
ブランドの独自性をコンセプトに落とし込み、社内外で共通認識化する取組みがブランディングです。
インナーブランディングからアウターブランディングまでを一貫したコンセプトのもとに効果を最大化するブランディングを、当社では「統合型ブランディング」と位置付けています。
ブランドコンセプトを作り、それをベースとしたインターナルブランディングとエクスターナルブランディングの具体的な方策を企画・推進することが統合型ブランディングです。

当社では、ブランディングの両面を一貫してサポートする体制を整えています。
一度お気軽にご相談ください。
事例の詳しい内容などご紹介させていただくとともに、企業の課題に即した効果的な取組みをご提案いたします。

ブランド価値の可視化と自分ゴト化

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